社長の経営判断クリニック 【第4.1回】AIで営業はどう変わるか
AIを経営参謀にする ~社長の経営判断クリニック~第4部 AIで利益を生み出す
第4.1回 AIで営業はどう変わるか
これまでの営業は、経験豊富な営業担当者ほど「お客様に何を聞けばよいか」
「何を提案すればよいか」を感覚的に分かっていました。
AIを使えば、その経験や勘だけに頼らず、若手でも「仮説を持ってお客様に会う営業」
に近づけることができます。
【今日の経営判断】。
社長に一つ質問です。
営業担当者は、お客様を訪問する前に「この会社は今、何に困っているのではないか」
という仮説を持っているでしょうか。
例えば営業担当者が訪問して、
「最近どうですか。」
「何かお困りのことはありませんか。」
と聞く。
お客様から、
「特にありません。」
と言われて、商品説明をして帰ってくる。
こうした営業になっていないでしょうか。
もちろん、お客様との日常的な会話は重要です。
しかし、お客様自身が自社の課題を明確に認識しているとは限りません。
だからこそ営業担当者には、
「この会社には、こんな課題があるのではないか。」
という仮説を持って訪問することが求められます。
ここでAIを営業担当者の「訪問前の作戦会議の相手」として使うことができます。
【AIならこう考える】
例えば、これから製造業のお客様を訪問するとします。
営業担当者がAIに、
「従業員100人程度の製造会社で最近起こりやすい経営課題を挙げてください。」
と聞きます。
すると、
・人手不足
・原材料価格の上昇
・設備の老朽化
・技術継承
・電気料金の上昇
・生産性向上
など、さまざまな可能性が出てきます。
次に、その会社について自社が把握している情報を加えます。
「この会社とは10年間取引があり、現在〇〇を購入してもらっています。
最近、工場を増設しました。」
その上で、
「次回訪問で確認すべきことを5つ考えてください。」
とAIに相談します。
すると営業担当者は、
ただ「何か困っていませんか」と聞くのではなく、
「工場を増設されましたが、人員の確保で困っていることはありませんか。」
「設備が増えたことで、保守や電気代に変化はありませんか。」
など、具体的な質問を準備して訪問できます。
【フェリーズ・コンサルの視点】
私は、AIによって営業が大きく変わる可能性があるのは、
「売る営業」から「課題を見つける営業」へ変えやすくなること
だと考えています。
従来は、
商品を説明する。
見積もりを出す。
価格を交渉する。
という営業が中心だった会社でも、AIを使えば訪問前に、
この業界では今、何が起きているのか。
この規模の会社では、どんな問題が起きやすいのか。
このお客様には、どんな変化がありそうか。
何を質問すれば課題が見えてくるか。
を整理できます。
そして実際にお客様へ聞いてみる。
AIの仮説が外れていても構いません。
むしろ、
「実際にはそこではなく、こちらで困っている。」
という話が聞ければ、それが新しい営業情報になります。
つまり、
AIで仮説を作る
↓
営業担当者がお客様に確認する
↓
本当の課題を聞き出す
↓
次の営業につなげる
という流れを作るのです。
【今日からできること】
次回訪問するお客様を1社選んでください。
そして訪問前に、AIと10分だけ作戦会議をしてみてください。
AIに伝えるのは、
① お客様の業種
② 会社規模
③ 現在の取引内容
④ 最近分かっている変化
⑤ 今回訪問する目的
です。
そして、
「このお客様が現在抱えている可能性のある課題を5つ挙げてください。」
と聞きます。
さらに、
「その仮説を確認するために、営業担当者が聞くべき質問を作ってください。」
と依頼します。
営業担当者は、その質問を持って訪問します。
商談が終わったら、
「実際には〇〇という話がありました。」
とAIに戻します。
そして、
「この情報から、次回さらに確認すべきことは何ですか。」
と聞きます。
こうしてAIを、営業活動の前後で使っていきます。
【AIへの質問例】
「私は〇〇を販売する会社の営業担当です。
明日、〇〇業の会社を訪問します。
従業員は約〇人で、当社とは〇年間取引があり、現在〇〇を購入いただいています。
最近〇〇という動きがあることが分かっています。
この会社が現在抱えている可能性のある経営・業務上の課題を5つ
仮説として挙げてください。
その上で、それぞれの仮説を確認するために、お客様へ自然に聞ける質問を作ってください。」
商談後には、
「実際にお客様へ確認したところ、〇〇、〇〇、〇〇という話がありました。
この内容から、①顧客の本当の課題として考えられること、②追加で確認すべきこと、
③次回訪問までに準備すべきこと、を整理してください。」
【フェリーズ・コンサルからのアドバイス】
優秀な営業担当者は、お客様との会話の中から、
「この会社は何か困っていそうだ。」
「この話の裏には別の課題がありそうだ。」
と気付きます。
しかし、この力は経験によるところが大きく、
若手社員へ簡単に教えられるものではありません。
ここにAIを活用する価値があります。
AIに正解を出してもらう必要はありません。
重要なのは、
お客様に会う前に、考える材料を増やすこと
です。
例えば若手社員でも、訪問前にAIと10分間考えることで、
「今日はこの3つを聞いてみよう。」
という準備ができます。
そして訪問後に、
「仮説と実際はどう違ったのか。」
を振り返る。
これを繰り返すことで、営業担当者自身の顧客を見る力も高まっていきます。
私は、AIによって営業が変わる本質は、
営業担当者の代わりにAIが売ることではなく、営業担当者が「考えてからお客様に会う」
ことを当たり前にできること
にあると考えています。
商品を説明する営業から、
お客様の課題を見つける営業へ。
AIは、その変化を支える営業参謀になります。
【ご相談はこちら】
「営業がお客様から言われたことに対応するだけになっている。」
「営業担当者によって、顧客課題を聞き出す力に差がある。」
「若手営業にも、ベテランのように仮説を持って顧客を訪問してもらいたい。」
そのようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
フェリーズ・コンサルでは、
日々の営業活動の中でAIをどのように活用できるかを一緒に考えます。
訪問前の情報整理や顧客課題の仮説づくり、ヒアリング項目の検討、商談後の振り返りなど、
まずは身近なところからAIを営業に生かす取り組みをご支援します。
営業のやり方そのものを変えるのではなく、
AIを「営業担当者の相談相手」として取り入れる。
そんな無理のないAI活用から始めてみませんか。
お問合せはこちら
2026年09月07日 07:10