【第6回】社長が口を出すと止まり、出さないと迷走する理由
【第6回】社長が口を出すと止まり、出さないと迷走する理由― プロジェクトがうまくいかない関わり方のジレンマ
「任せたつもりだったのに、思った方向と違っていた」
「口を出すとスピードが落ちるが、出さないと不安になる」
プロジェクトが動いている最中、
多くの社長がこのジレンマを感じています。
どちらも、社長として自然な反応です。
【社長が口を出したくなるのは当然】
社長がプロジェクトに口を出すのは、
・最終責任を負っている
・プロジェクトの成否が会社の将来に直結している
・失敗したときの影響が大きい
からです。
現場に任せきりにする方が、
かえって無責任だと感じる社長も少なくありません。
問題は「口を出すこと」そのものではなく、
口を出さざるを得ない状況が続いてしまうことです。
【口を出すほど、現場は止まりやすくなる】
社長が細かく関与し始めると、
現場では次のようなことが起こります。
・判断が社長頼りになる
・決定が先送りされる
・社長の顔色を見て動きが慎重になりすぎる
誰も間違えたくないため、
結果としてスピードが落ちます。
これは現場の問題ではなく、構造の問題です。
【では、口を出さなければいいのか】
一方で、「任せる」と決めて距離を取ると、
別の問題が起こります。
・判断基準が共有されていない
・方向性が微妙にズレる
・各自が良かれと思って違う方向へ進む
後になって気づき、
「なぜこうなったのか」と感じる。
これも、よくある話です。
【問題は「関与の量」ではなく「関与の仕方」】
ここまでを見ると、問題は口を出すか出さないか
ではないことが分かります。
重要なのは、
・どこに関与するのか
・どこは任せるのか
・誰を通して関与するのか
という関わり方の設計です。
【社長が直接入る構造が、負荷を高めている】
プロジェクトがうまくいかない会社では、
社長が
・現場と直接やり取りし
・外注先とも直接話し
・判断も調整もすべて行う
という構造になっていることが多くあります。
この状態では、
・社長が動くと進む
・社長が離れると止まる
という依存構造が生まれます。
【社長の関与は「翻訳」と「判断」に集中させる】
社長が本来力を発揮すべきなのは、
・目的や優先順位を示す
・判断の基準を明確にする
・重要な意思決定を行う
部分です。
一方で、
・日々の進捗確認
・認識のすり合わせ
・関係者間の調整
こうした役割は、
社長以外が担える余地があります。
私も以前、社内に課題が多く、
すべてを自分で見ることが難しい状況でした。
何とか安心して任せられる要員がいないか、
藁をもつかむ思いで探していたところ、
以前仕事で関わり、信頼していた方が偶然空いており、
外注としてプロジェクト支援をお願いすることができました。
開始時には方向性やスケジュールを共有し、
日々の調整や現場対応を任せることで、
社長として判断に集中できる状態を作ることができました。
【まとめ】
・社長が口を出すのは自然なこと
・出しすぎても、出さなさすぎても問題が起きる
・大事なのは、関わり方の設計
次回は、
「プロジェクトが動き出す“最初の一歩”とは何か」
について整理します。
ここまでの話を踏まえ、
何を最初に決めるべきかを具体的に掘り下げます。
2026年02月03日 15:27