【第5回】プロジェクトの8割は「調整」で決まる
【第5回】プロジェクトの8割は「調整」で決まる― 会議に出ない仕事の重要性
「ちゃんと会議はやっている」
「議事録も残している」
「担当者も決めている」
それでもプロジェクトが進まない。
こうした状況は、決して珍しくありません。
多くの場合、原因は会議の中にない仕事にあります。
【プロジェクトは「決まった瞬間」ではなく「その後」で決まる】
会議では、
・スケジュールを確認する
・課題を明確にする
・解決策を議論する
といったことが行われます。
しかし、プロジェクトの成否を分けるのは、
会議が終わった後に何が起きているかです。
・出席者は自部門で、誰に何を伝えているか
・認識のズレはないか
・検討の期限を決めているか
これらは、会議の中では把握できないものです。
【「調整」という仕事は、目に見えない】
調整という言葉から、
スケジュール調整を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、実際の調整はもっと広いものです。
・社内の温度感の違いを埋める
・外注先との認識差をすり合わせる
・優先順位の変更を伝える
・判断が止まっている理由を探る
こうした仕事は、成果物として見えにくく、評価もされにくい。
それでも、これが滞るとプロジェクトは止まります。
【調整が不足すると、何が起きるか】
調整が十分に行われていないプロジェクトでは、
・「聞いていない」という言葉が増える
・各自が自分なりの解釈で動く
・小さなズレが積み重なる
結果として、
・手戻りが増える
・不満が溜まる
・スピードが落ちる
という状態になります。
誰かが悪いわけではありません。
調整という役割が不在なだけです。
【社長が無意識にやってしまっていること】
プロジェクトが停滞すると、多くの場合、社長が動きます。
・関係者に個別に声をかける
・外注先に直接連絡する
・判断を前倒しで出す
こうして一時的に動きますが、
社長が動き続けなければ回らない状態になります。
これは、調整役が社長に集中しているサインです。
【調整は「仕事」として切り出さないと回らない】
調整は、
・空いた時間にやるもの
・ついでにやるもの
ではありません。
・意識的に時間を取る
・役割を明確にする
・担当者を決める
そうしなければ、他の業務に埋もれてしまいます。
プロジェクトの8割は、この「見えない仕事」で決まります。
私も会議で決まったことが各門に浸透しているか、
会議に出席していた管理者ではなく、
担当者に何げなく聞いてみたことがあります。
すると、管理者から部門全体に落とされていないことや、
目的を誤って伝えられているため、
方向性が違ってしまっているケースもよくありました。
また、いろいろな会社を見てきましたが、「やりきる力」を持っている人は少ないと感じています。
中途半端に進めていることや、日常業務の忙しさを理由に
手を付けていないということもままありました。
やはり社長としては、
・決まったことが各門で腹落ちしているか
・「やりきる力」を持った担当者が関わっているか
といった点を意識して見ておくことで、
結果的に自分の負担を減らすことにつながるのではないでしょうか。
【まとめ】
・プロジェクトは会議だけでは進まない
・成否を分けるのは「会議に出ない仕事」
・調整は、明確な役割として必要
次回は、
「社長が口を出すと止まり、出さないと迷走する理由」
について掘り下げます。
調整と権限のバランスが、
プロジェクトを左右する構造を整理します。
2026年01月30日 09:26