サプライチェーンのCO2排出量事例
サプライチェーンの中で、Scope1〜3としてどんなCO2排出の局面があり、それぞれどの程度のCO2排出量になっているか分かりやすい説明があった三菱食品の事例を紹介します。三菱食品では、CO2排出量の削減に向け、Scope3の可視化に着手し、三菱食品単体の測定実施から順次グループ会社へと拡大したところ、Scope3は全体のが99.7%を占めていることが分かりました。
自社でコントロールできるScope1,2は、全体の0.3%しかありません。
また、「購入した製品・サービス」の分野が90.4%となっているため、ここでは取引先の生産者のCO2排出量をいかに減らすのかが問題となってきます。
このように、取引先の協力なくては達成できない目標ですので、取引先にCO2削減目標を設定してもらい、どういうアクションでいつまでにどれくらいCO2排出量を削減するのか脱炭素化の計画を提出してもらう必要があります。
三菱食品以外の企業でも、Scope3の排出量が多くの割合を占めるため、取引先に脱炭素化への積極的な取り組みを要請せざるを得ない状況にあります。
企業は最終的に目標に届かない分を排出量取引等でカバーしなければならず、その分コストがかかってしまいますので、脱炭素に対応している取引先の方にコストが同じか少しぐらい高くても、変更を考えていくでしょう。
したがって、早期に脱炭素化の対応を取れば、今の取引先に契約を打ち切られる可能性はなくなり、新たな取引先を獲得できるチャンスにもなります。
2024年12月23日 08:57